浴衣 〜8000HIT記念〜



「似合うよ〜!!」

朱雀七星士たちは美朱の要望により、ある物を着せられていた。

「こんな薄い生地の服を着るのは初めてなのだ〜」
「でも、可愛いわね〜」
「す〜す〜して気持ち悪いで〜」

そう、それは現実の世界で言う、浴衣と似たものだった。



昼に美朱が街へ買い物へ出た後、どこからか買ってきた物だった。

「私の世界ではね、こういうの来てお祭とかに行くんだよ!」

そう言って、みんなに1着ずつ渡していく。

「えっと、着方はね・・・」

と言って、服を着たまた、簡単に実践して見せた。

「えっと、これは女の人用なんだけど、男の人は右側が前に来るだけで、
後は変わらないから。」
「じゃあ、私は美朱と一緒で良いのよね?」
「うんん、柳宿も右前だよ。」
「え〜!!!!」

柳宿は美朱から渡されたものが女物であると思っていたようだ(笑)

「う〜ん、私も悩んだんだけど・・・。
でも、これ柳宿に似合いそうだな〜って思って。たまには男物でも
良いじゃん!」
「え〜、ったく、しょうがないわね〜」

渋々、了解したようだ。

「じゃあみんな、着替えてきてね〜!!!」



「すっごく似合うよ!!買って来て良かった〜!」
「でも、着て一体どうするんだ?」
「へっへ〜wみんなでお祭行こっ!!」
「お祭と言うのは・・・、今日城下で行われる豊作を祝うものの事か?」
「うん、多分そう!!せっかくだし、みんなで行こうよ〜!!」

美朱も浴衣を着て、もう行く気満々である。
みんなは、諦めてお祭へ行く事にした(笑)



8人は日が沈んだ後、城下へと繰り出した。

城下は沢山のお店で賑わっていた。
最初は乗り気じゃなかったみんなも、今ではすっかりはしゃいでいる。
浴衣にもすっかり慣れたようである。

「ねぇねぇ、今度はあっちのお店行こっ!!」

美朱が駆け出した。

「ちょっと待ってよ!!この靴走りにくいんだから〜!!」

みんなは、これまた美朱が買ってきた、現実の世界で言う下駄に似た物を
履いていた。

「速く〜!!」
「待てや、美朱!!」

柳宿と翼宿が頑張って美朱を追う姿をみんなは後ろから微笑ましげに
見ていた。


「あ〜、食べたっと」
「そりゃ、あんだけ食えばな〜」

美朱はほとんどのお店の品を1度は食べたのでは、と言う位食べていた。

「さぁて、帰るか!!」
「そうだな、もう足クタクタだし・・・」
「この下駄って言うの、歩きづらいし痛いし、大変だわ・・・」
「美朱の世界の者たちはよくこんなのを履くな・・・」

みんな、口々に下駄の事を言った。

「今では履くのはこういうお祭の時だけだけど、昔は毎日履いてたんだよ〜」
「うひゃ〜、尊敬するぜ〜」
「まったくだ・・・」


翼宿ももうクタクタであった。
美朱を追っかけたりしていたので、みんな以上に足に疲れが来ていた。

「翼宿?」

井宿が小声で呼びかけてきた。

「なんや?」
「2人でどこか行かないかなのだ?」
「え〜、俺もう疲れ・・・」
「行くのだ?」

にこやかではあるが、嫌とは言わせない口調でもう1度聞きなおした。
ここで逆らうと、この後どうなるかわかっていた翼宿は、仕方がなく
従う事にした・・・


「あれ?そういえば翼宿と井宿は?」
「2人でどっか行ったんじゃないか?」
「ラブラブだわね〜、まったく」
「じゃあ、邪魔しないように、私達は帰ろうか」
「そうだな」

みんなは宮殿へ帰る道を歩き出した。



「この辺に座るのだ?」
「あ〜、もうクタクタや・・・」

2人が来たのは祭からそう離れていない野原であった。

「じゃあ、あの木の下にするのだ」

井宿が木の下へと座り込んだ。
翼宿もその横に座り、木に背中を預けた。

「あ〜疲れた〜」
「ありがとうなのだ、翼宿」
「・・・!どっどう・・・いたしまして

翼宿は顔を逸らしているが、きっと真っ赤になっているのであろう。
井宿はその姿が微笑ましく思えた。

「翼宿、オイラに寄りかかるのだ〜」
「っ?!ななな・・・、なに言うとるんや?!もしかして、なんか
狙てるやろ?」

疑いの眼差しを井宿に向ける

「なんにもないのだ〜。いつも盛ってるとは思わないで欲しいのだ」
「いつもやなかったんか?」
「何か言ったのだ、翼宿?」
「いえ何も!」

井宿の恐ろしさ(笑)を感じ取ったのか、翼宿は即座にこう答えていた。
その姿さえ、井宿には可愛らしく見えて仕方がない。

「ほら、寄りかかるのだ」
「・・・・・、ほな、お言葉に甘えて・・・」

コトン

翼宿は井宿の方に顔を置いた。
井宿の方は思ったより大きくて、暖かくて・・・

「気持ちええ〜」

急に睡魔が襲い掛かってくる。

「なんか、眠た・・なって・・・・」
「良いのだ。ずっとこうしておいてあげるのだ。
おやすみ、翼宿」
「おやす・・・・す〜・・・・・」

言葉が途切れたかと思うと、もう寝息が聞こえ始めた。

井宿も、翼宿の方へ頭を軽く寄りかからせた。
柔らかい髪の感覚が気持ち良い。

「おやすみ、翼宿・・・」

井宿も目を瞑った。











  ☆管理人からのコメント☆

はい、突発的に書いてしまいました〜
違うちちたすストーリーを書き終えて載せようと思った時、
「そういえば、浴衣着た2人を書きたい!てか、TOP絵に沿った話書きたい!!
だったら、書いちゃえ!!」
なんぞ思い当たってしまいまして、ついついキリリク小説そっちのけで書いてしまいました(^^;)
更に、書いてる時に思い当たったのです!
「どうせなら、8000HIT記念FDL小説にしちゃえ!!」
などと、かなり無謀な事を考えました・・・
でも、めっちゃ悪い!という出来でもないので、まぁ良いかなと(^^;)

でも、ショートだから2人のシーンが少ない!!!
ちょっと寂しかったかも・・・