形の残る物を



「はぁ・・・、いよいよ今日か・・・」



今日は3/14 ホワイトデー





バレンタインほどに盛り上がる日ではないが、恋人たちには欠かせない1日。

男の子が、女の子にバレンタインのお返しをする日



「今日はホワイトデーだね〜w
は雄飛君にバレンタインチョコ、あげたんでしょ??」
「もっちろん♪
こう言っちゃなんだけど、雄飛からのお返し、楽しみなんだ〜w」

雄飛と付き合い始めて、かれこれもう3年が経とうとしている。

『3年前のちょうど今日、雄飛から告白してくれたんだよねvv』

雄飛らしく、
彼の気持ちの沢山詰まったホワイトチョコレートを手に、家の近くの公園で告白してきた。

も、雄飛の事が前から好きで、すぐに告白をOKした。
その時の、雄飛の嬉しそうな笑顔は今も忘れられない・・・・・

「あ〜もう雄飛ったら〜照れちゃうよ〜vvv」

「はぁ、また妄想の世界に入ってるよ、この子は〜
・・・!!!」
「はい〜にゃんでしょう〜〜」
「そのにやけた顔を止める!」

の顔をパンとたたく。

「いったいな〜もう。せっかく、幸せな思い出に浸ってたのにぃ〜!!」
「過去より今日でしょっ、たく・・・」

友達にこんな事を言われながらも、は過去の思い出に浸っていた

「3年前はホワイトチョコで〜、2年前はチョコクッキー、去年はフルーツケーキだったよな〜
今年はなにくれるんだろvv」
「えっ・・・ちょ、ちょっと待って、。それって、全部食べ物、よね・・・?」
「あったりまえじゃん〜w雄飛が料理上手なの知ってるでしょ〜??
毎年、ホントにおいしいもの沢山くれるのwホワイトデーだけじゃなくて、クリスマスも誕生日もvv
あ〜私って幸せ者〜vv」

1人ウキウキなの隣で、友達は何やら考え込んでいた。

「どうしたの〜??」
「ん、だってさ〜、それじゃあちょっと寂しくない?」
「えっなんで〜???」

友達はに真剣な眼差しを向ける。

「そりゃ、雄飛君はそこいらの女子より料理上手いわよ。
でもさ・・・、毎回手料理がプレゼントって、なんか寂しくない??」
「そういうもんなのかな〜」
「貰って嬉しいけど、でも、私なら、絶対にそう思うな〜。
それに、何か形の残る物も欲しくない?例えば、アクセサリーとか小物とか・・・」
「う〜ん・・・・・」

は考え込む。

確かに、後に残る物だととても嬉しい。
でも、にとっては、雄飛がなにかをくれる
いや・・・一緒にいてくれるだけで、幸せなのだ

料理以外のものを貰いたいなんて、考えた事もなかった・・・・・

「まっ、が嬉しいならそれで良いと思うけどね。
ごめんね、余計な事言って・・・」
「うんん。
あっ、彼氏が待ってるよっ!!」
「ホントだっ!!
じゃあね、!!」
「また明日ね〜」

いまや、教室には1人。

雄飛は職員室に呼ばれていたのだ。

「早く帰ってこないかな〜雄飛」


「・・・・・ごめんな、遅くなっちまって!!」
「うんん、さっ帰ろっかw」
「・・・それが、わりぃ。まだ用事終わってなくって・・・
先に帰っててくれるか?早く終わらせて帰るから」
「えっ?!
う、うん、わかった・・・ じゃあ、先、雄飛ん家行ってるね」
「いやっ!!今日はん家にいてくれ」
「えっ、なんで・・・・・」
「じゃあまた後でな!!」

の言葉を最後まで聞かず、雄飛は教室を飛び出していってしまった。

仕方なしに、は1人、教室から出て、家に向かうのだった・・・・・





が家について、かなりの時間がたった

今は、夜の9時を過ぎたところだ。


「いくらなんでも、雄飛遅いよ・・・・・
なにか、大作作ってきてくれるのかなぁ〜」

やはり考える事はホワイトデーの事ばかり

「形の残るもの、か・・・」

帰り際、教室で聞いた友達の言葉が離れない。

「形の残るもの・・・」


付き合って3年

本当に1回もそんな事を考えた事はなかった
むしろ、料理が上手い雄飛の彼女である事に優越感さえ持っていた。

「う〜ん・・・・・」


ピンポ〜ン

そんな時、家のベルが鳴った。

「あっ、雄飛やっと来た〜vv」

さっきまでの気持ちは嘘のように、は幸せいっぱいで玄関へ走っていった



は雄飛を自室へ招いた

「あ〜もう9時過ぎてる〜
、ホントにごめんな!!」
「気にしてないって〜wでも、そんなに用事大変だったんだね、お疲れ様!」
「あっ、あぁ・・・まあな」

しばらく沈黙が流れた。



「そっそうだ、これ・・・
今日、ホワイトデーだからさ」

そう言って、雄飛が差し出したものは・・・

小さな包みだった。

「ありがとvv あけて良い?」
「あぁ・・・」
「今年は何だろ〜毎年楽しみなんだw」

カサコソ・・・


「・・・これ・・・・・」
「・・今年は、これにしたんだ」

そう言って、の膝の上の包みから雄飛が取り出したものは・・・


2つのネックレス

「俺、いっつも、に食べ物あげてたから、今年は、何か違うものにしようって思って・・・」
「・・・、もしかして、教室での話・・・」
「ごめん・・・、聞いてた・・・・・」

雄飛は静かに顔を背ける

「でもでも、私食べ物が嫌だなんて1度も・・・」
「あぁ。は俺の手料理で不満はないって、言ってくれてた。
でもさ・・・、やっぱり、こういうのも欲しいだろ??」
「雄飛・・・・・」

は、ただただ雄飛を見つめていた。

「俺、今まで食べ物以外の物をあげよう、なんて考えた事もなくて、どんな物が良いかもわからなくて・・・
こんなに遅くなっちまって、ホントにごめんな・・・」
「えっ、これのために、今まで・・・・・」
「ホントは、のそばにいてやりたかったんだけど・・・」


は改めて、雄飛の手に握られているネックレスを見た

それは、リング状のハートが1つついているとても可愛らしいもので
しかも、ハートの色が、1つは桃色で、1つは淡い水色だった


「・・・、に似合うと思うんだけど・・・」

おもむろに、雄飛がの首に桃色のハートのついている方のネックレスをつけた。

「・・・、もう1つは?」
「これは・・・・・」


すると、雄飛は自分の首にもう1つのネックレスをつけた。

「これ、色違いのお揃いなんだ・・・2人で、こうやってつけたら良いかなって・・・」

雄飛はまた下を向いてしまったが、その耳は赤くなっている

雄飛がこんな事をしてくれるとは、は思っていなかった。

きっと、何件も慣れないお店を探し回って、恥ずかしがりながら買ってくれたに違いない
そんな光景が頭をよぎり、ますます、は幸せに包まれた。

嬉しさのあまり、の顔を一筋の涙がつたう。

「うん、すっごく嬉しい・・・ありがと、雄飛・・・」

は雄飛にそっと抱きついた。
恐々と、雄飛もそれに答えてくれる。


「あのね、雄飛・・・私、雄飛から貰える物なら、うんん・・・雄飛がそばにいてくれるだけで、本当に幸せなの
雄飛の作った食べ物がいやとか、物が欲しい、なんて、1回も思った事ないんだよ・・・

それに・・・雄飛の料理は、物と比べられないほど、私にとっては特別なんだよ
だって雄飛の料理は、私にだけのプレゼントなんだもん」
・・・・・
うん、俺、もっともっと料理上手くなって、のために、たくさん作ってやるからな」
「うん・・・・・
今日はホントにありがと、雄飛・・・」







2人の胸に飾られた2つのネックレス


それは今

2つのハートがくっつき、1つのネックレスのように輝いているのであった











  ☆管理人からのコメント☆

終わった〜〜〜!!!!!!!!!!
なんとか3/14から日付が変わる前に書き終えました!!!
(UPできるかは別として(爆))

にしても、今回も夢小説になってしまいましたね〜
しかも、これまた管理人初の、妖セレの雄飛君ネタですよ〜!!!!!
いやぁ、色々考えたんですけどね
やっぱり私にはちちたすだ!!とか、いやっ、バレンタインのお返しが何だか気になるから虚宿の夢小説だ!!とか・・・
でもでも、1番これだ〜!と思ったのは、このネタだったんですよ〜
ずばり!
『料理が得意な雄飛君はいっつもプレゼントに手作り料理ばかり。だから、今度は違う物をあげてみよ〜!!』
とね(笑)
これを思いついたら、他に良い考えが思いつかなくて・・・
でも、私は妖セレで雄飛君が1番好きだからともかくとして、
一応ふし遊サイトとして出してるわけで、書いてFDLにしてどうかな〜と悩んだのですが・・・
他に書けそうになかったので・・・
ふし遊、またはBLを楽しみにしていた皆様!!
本当にごめんなさい><
次回のイベント(そう遠くなりませんが・・・(笑))の時は絶対にふし遊のBL書きます!!
というか、初心に帰ってちちたす書きます!!

さてさて、こんな小説&後書き(みたいなもの?)を読んで下さってありがとうございます!!
この小説は期間限定FDL物ですw
期間は・・・3/20までですw
一応、貰う前に感想を添えたご連絡を下さると、とっても嬉しいです(*^^*)

それでは、ありがとうございました〜★☆