双子なんだから


「くしゅん!」


はっとして、亢宿は角宿の方へ振り向く。

「・・・・・すぅ・・・・・・・・」

『良かった、起こさなかった・・・』

心の中で安堵の言葉を浮かべる。


さっきから亢宿はくしゃみをしては、こんなふうに角宿を起こしてはいないか、
心配して布団の中で角宿の方へ振り返っていた。


『寒いなぁ・・・、昨日はあんなに暖かかったのに・・・
布団しまいこむの、早すぎたな〜』


倶東国にも、寒い時期と暖かい時期がある。

ここ最近、2人の住んでいる辺りにも暖かな日々が訪れたようで、
夜でも厚着しなくてすむようになってきていた。
そこで昨日、2人は寒い時に使っていた布団や着物をしまうことにした。
昨日も、日差しが射し、とても暖かな1日であった。



ところが、夜中は最近の暖かさからは考えられないほど冷え込んだ。
それこそ、1番寒い時と同じ位にまで・・・・・


その寒さに目を覚ましてしまった亢宿は、角宿の体を気遣って自分の布団を角宿にかけてあげた。
更にしまいこんだ布団を出そうかとも考えたのだが・・・

『布団を出したいけど、ずいぶん置くにしまっちゃったから、出してると角宿を起こしちゃうし・・・・・』

仕方なく、しばらく丸くなって耐えていたが、布団なしで寝るにはあまりに寒すぎた。

『足がかじかんできちゃった・・・』

体も、小刻みに震えだしてきた。 更にはくしゃみまで・・・・・

「くしゅん、くしゅん・・・・・はっくしゅん!! ・・・・・」

亢宿は、角宿の方を振り返る事すらできなかった。

寒くて動けなくなっていた。
しかし、それ以上に、角宿の顔を見られなかった。



「・・ぅん・・・・・さむっ!・・あれ・・・・・この布団・・・・・・
兄キ・・・・・??」

角宿は、隣で布団もかけずに寝ている兄を見つけた。

「兄キ!!なんで俺なんかに布団かけてるんだよ!!
兄キ!!!起きてるんだろ?!」

寝ているフリをしていたのであったが、角宿にかかれば、亢宿の事など何でもお見通しであった

「・・・僕は大丈夫だよ・・・・・角宿さえ、寒くなければ・・・・・」

そうは言ってみたものの、顎が震えて歯がガチガチ鳴っていたのでは嘘としかとれなかった。

「何言ってるんだよ?!体も声も震えてるじゃんか!!
ほらっ、俺の布団に入れよ!!俺が兄キの布団に行ってもいいんだけど、
それより俺の布団の方があったかいから!
ほらっ、はやく!!」

腕だけ掴んだ角宿は力強く亢宿をひっぱり自分の布団へ引っ張り込んだ。
そして、亢宿を後ろから腕を巻きつけた。
そのまま、体全体で亢宿を包み込む。

「めちゃくちゃ冷えてるじゃんかよ!!!風邪ひいちまうぜ!?」
「だっ大丈夫だって!!僕にくっついていたら角宿の体まで冷えちゃうよ!」
と言いながら、角宿から離れようと頑張ってみた。 しかし、角宿に更にきつく抱きしめてしまった。
「大丈夫だって!
俺の事、兄キの布団だと思って良いからさっ」

抜け出せないとわかり、亢宿は大人しく角宿に抱かれていた。



「兄キの体、やっとあったまってきた・・・」
「でも、角宿の体、冷えちゃった・・・・・」
「兄キと同じ位なら良いやっ。兄キとなら、何でも一緒が良いんだっ!」
「なにもそこまで一緒にしなくても・・・」
「良いのっ。体温も分かち合おうよ。 俺と兄キは双子なんだからっ」

亢宿は、角宿の言葉が、なんだか照れくさくも、暖かくも感じられた。

「・・・・・じゃぁさ」

亢宿はその場でくるりと体も向きを変えて角宿に向き合った。
そして、その腕を角宿と同じように首に巻きつけた。

「この方があったかいよ」
「兄キ・・・・・」


お互いが、お互いを、きつく抱きしめた。
自分で相手を包み込むように・・・・・



そして、2人はそのまま深い眠りへとついたのであった





2人だけの、暖かい世界で・・・・・・・・・・・・・・











  ☆管理人からのコメント☆

4/5を持ちまして、サイト開設1周年です〜★☆
いやぁ、あっというまに1年経ってましたね〜
驚きもののき21世紀、なんちゃって(ネタふるっΣ(・Д・))
でもでも、それもこれも全部、こんなサイトに来て下さって、更にはこ〜んな管理人と仲良くして下さってる皆様のおかげであります^^
そこで、この小説は恒例(?)のFDLOKな代物です〜w

いやぁ、サイト1周年の日を思い出したのが前日でして(え?!)、頑張ってネタ考えました(^^;)
(だから、今回も超短編になってしまったのです;;)
前回のFDLはちちたすだったので、今回はすぼあみだ〜!!と思って頑張って考えました^^
で、ちょうど思いついたが、夜外を歩いていた時で・・・
「うひゃ〜昨日はあったかかったのに、今日はありえない位寒い!!」
なんて考えていて、その時ひらめいたのです!!
ネタの神様は面白い所で降臨して下さるのですねぇ(笑)

でもでも、最初は、角宿が寒がって亢宿に甘えて布団に入れてもらう、ってネタだったんですよ〜
でも・・・・・
そうしたらあみすぼになる〜!!このサイトの中心はすぼあみじゃ〜!!!!!!
と思い直し、そっちのネタの方が気に入っていたのですが、今のネタに変更しましたw
更に書いている途中には
角宿が亢宿を暖める方法をS○X(こんな伏せ方でよかったのか(・・;))にしようかなぁ、なんて考えたり(^^;)(爆)
裏ネタに走りそうなのをなんとか堪えました(爆死)

でもでも、珍しくどのネタも書いてみたかったです(^^;)
特に裏ネタは(核爆死)

はい、ここまでお付き合いくださいましてありがとうございました〜^^;
これからも、こんな管理人ですが(しかも最近更新サボリ気味っていうね(爆))、どうぞよろしくしてやって下さい(^^;)