抵抗をしないと?! 3



そのまま30分程過ぎ、亢宿はやっとスッキリしたようであった。

「ごめん角宿、ありがとう。もう大丈夫だよ・・・。」
「本当に?」
「あぁ、もう大丈夫さ。」
「そんなふうには見えないけど・・・。」
「そうか?」
「うん・・・。まだ俺の事気にしてるでしょ?」
「そ・・・、そんな事ないよ。本当だって・・・。」
「まぁ、良いや。それより腹減ったよ。最近兄キの作ったご飯食べてないし、
久し振りに作ってよ!」
「あぁ、わかった。」

その後2人はのどかな時間を過ごした。



久し振りの2人の時間を過ごしていたらいつのまにか夜になっていた。

「いけない、もうこんな時間だ!寝ないとな。」
「そうだね、兄キ。」

2人は簡単に片付けてベッドへ向かった。

「おやすみ、角宿。」
「おやすみ、兄キ。へへっ。」
「どうしたんだ?」
「久し振りに兄キの声が聞けて嬉しかったんだ。」
「何言ってるんだよっ。」
「へへっ、じゃあおやすみ。」
「おやすみ、角宿・・・。」


やがて2人は眠りについた。





「・・・・・ぼし!・・・すぼしっ!」
「じゃあな、兄キ・・・。」
「どうしてだよ、角宿っ!?」
「だって、兄キすっごく怖いんだもん・・・。もう一緒にいられないよ。
いつ俺があんな目にあうかわかんないもん。」
「そんなに怖かったのか?!もうあんなことしないから!待ってくれ角宿!」
「じゃあな、兄キ・・・。」
「待ってくれ、角宿っ、角宿〜!!!」



「兄キ!兄キ!?」
「角宿〜!!!」
「兄キっ!」
「はっ!!・・・っはぁはぁ・・・。す・・・、ぼし?」
「兄キすっごくうなされてたけど・・・。大丈夫?」
「ゆめ?そうか・・・、良かった。」

亢宿は夢の内容の事を考えた。

『角宿・・・、やっぱり僕はそんなに怖かったのか?こんな兄キ、
もう嫌なのか?』

亢宿は再び不安に襲われていた・・・。

「・・・・・ないよ。」
「え?角宿、どうしたんだ?」
「俺は兄キの事怖がってなんかいないよ。」
「なっ、だからもうそれは気にしてないっ・・・」
「じゃあ今夢にうなされてた時なんで『そんなに怖かったのか?!
もうあんなことしないから!』なんて言ってたんだ?!」
「僕、そんな事を・・・?」
「あぁ、はっきり・・・。」
「そうか・・・。」

亢宿は角宿を窺った。
やはりショックを受けているようである。
亢宿も角宿に何を言おうかと考えた。

その時、角宿がいきなり抱きついてきた。

「っ、角宿?!一体どうしたんだ?」
「俺・・・、俺どうしたら許してもらえる?どうしたら兄キ俺の事許して
くれる?!」
「何言ってるんだ!角宿は何も悪い事してないよ。」
「でもっ、俺、兄キが苦しんでんの見んの嫌だ!どうしたら・・・。」
「僕は角宿がいてくれるだけで良いよ。」

亢宿はそう言うと角宿にちょっと作ったように微笑みかけた。
角宿は胸がズキッとした。

『どうしたら兄キわかってくれるだろう?』

角宿は一生懸命考えた。
そして考えがまとまったかと思うと亢宿を押し倒した。

「すぼしっ、どうしたんだ?!」
「俺が兄キを抱いてあげる!」
「なっ、なにいきなり言ってるんだ!第一僕の事が怖いんだろう?
無理しなくて・・・」
「だからそれが違うって事をわかって貰うために俺は抱くんだ!」
「え?」
「俺が兄キを、亢宿をいつもどおりに抱けば俺が兄キの事怖がってなんか
ないってわかってくれるだろ!?」
「でっでもお前はちょっと前にあんな事を・・・」
「これは俺の意思だから良いの!」
「でもっ!ん?!」

角宿はそれ以上何も言わせない、と言うかのように亢宿の口を封じた。

「ん・・・。」

それはいつものとまったく変わりなかった。
いつもの優しい角宿であった。
亢宿の不安は消え始めていた。

「・・・はぁはぁ。」
「わかってくれた?」
「・・・あ、あぁ。」
「でもまだって感じだね・・・。今日はそれをわかって貰うまで
寝かさないからね、兄キ!」
「角宿っ!」
「だって、このまま兄キが俺に不安感を持ってられるなんて絶えられない
もん。だから!」
「でも、僕は人を殺してしまった。人殺しの僕なんかを抱いたら角宿が
汚れる・・・。」
「兄キは兄キのまんまだよ。なんにも変わってない!」
「でも・・・、んっ!?」

角宿はもう1度亢宿の唇を奪う。
そしてだんだん深いものにしていく。

それにつれて亢宿の中の不安がだんだんと流れていく。

角宿は亢宿の夜着をはだけさせ、愛撫でをする。

「うっ・・・。」
「亢宿、俺は怖がってなんかいないんだよ。」
「・・・くっ・・。」

亢宿は確かにいつもの角宿の温もりを感じた。
角宿は再び口付ける。



亢宿は全て許された気がした。
角宿に許された気がした・・・。











  ☆管理人からのコメント☆

完結っ!
大変遅くなってしまってすみませんっ!
しかも長くなりすぎた〜!すみません。なんか私角×亢を書くと長くなりすぎる傾向にあるらしいです(;;)
それもこのカップリングが好きな証拠でしょうか?なら良いなぁ・・・。

今回は亢宿をかなり弱く書きました。亢宿は弱弱しい方が可愛らしくていいのです!亢宿大好き〜O(^−^)O

にしても、なんか恋というよりは兄弟愛になってしまった気がするのがショックです。まぁ兄弟愛も良いですが、
やっぱりこの2人は恋ではないと!ショック・・・。

今度、番外編でこの2人の裏書きたいなぁ・・・(遠い目)






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