抵抗をしないと?! 1



亢宿と角宿は2人で夜道を歩いていた。
2人で昼過ぎに隣町まで買い物に出たのだが、予想以上に時間がかかって
しまい、終わった時にはもう日が沈みかけていた。

2人は無言で足早に歩いていた。
この辺りはこの地域で1番治安が悪いのである。
2人は青龍七星であるのだから決して弱くはない。
でも、やはりまだ子供である。
恐怖を感じずにはいられなかった。

「な、なぁ兄キ。早くここ通り過ぎようぜ。腹も減ったしさ。」

角宿は気の強い方ではある。
でも平静を装ってはいるがさすがに恐怖を隠せない。

「そうだな。随分遅くなってしまったし・・・。」

亢宿は気の強い弟が怖がっていることを知り今日出かけてきた事を悔やんだ。
そしてさっきよりも歩く速さを速めた。

その時・・・・・


「おいっ、こんな時間にこんな所歩いてたら危険だぜ?」

そう言って5人組の男たちが近寄ってきた。
いかにもガラが悪そうである。

「そんな事わかってらっ!」

角宿は早速言い返した。

「おっ、こいつら双子じゃねぇか。こっちは威勢がいいなぁ」
「あっ、わざわざありがとうございます。でもすぐそこなので大丈夫です。
では・・・。」

亢宿は早くこの場を切り抜けようと男たちにこう言った。
角宿も目で威嚇しながらも亢宿に従う。

亢宿と角宿は歩き出そうとした。
しかし、

「おっ、人がせっかく忠告してやったのにお礼もなしかよ?」

ボス格なのであろうか、背の高い男がそう言うと亢宿の腕をつかんだ。

「すみません、僕たち買い物帰りだからお金は・・・。」
「いや、そうじゃねぇよ。」
「え?」
「俺ら女より可愛い顔した男が良いんだよなぁ。」
「・・・・・。」

亢宿はすぐに察した。
角宿はわかっていない様である。

「そっ、それはちょっと・・・。」
「あぁ?なんだ、人の恩を仇で返そうってか?!」

だんだんとガラが悪くなってきた。
亢宿はしばらく考えたが答えを出した。

「わかりました。その代わり僕だけにしてください。僕の事はどうしても
良いですから弟は何もせずに見逃してください。」
「・・?兄キ?一体何言ってるの?俺訳わかんないよ・・・!」
「なんだ?弟君はわかってないのか?つまりな・・・」
「弟には言わないで下さい!僕はどうなっても良いですから!」
「何言ってんだよ、兄キ!?」
「そんなに聞きたいのか?」
「一体何なんだよ?!」
「言わないで下さい!」
「つまりな、お兄ちゃんはな、お前を家に帰してやる代わりに自分が
俺たちのお相手をしてくれるんだとよ!」
「え・・・?」

角宿にはやっと理解できた。「お相手」とはつまり・・・?

「そんな事させるか!俺たちはお前たちの相手なんかしないぞ!」
「角宿っ!」
「兄キも兄キだよ!なんでこんなやつらの言う事なんて聞くのさ!?
さっさとやっつけて帰ろうぜ!」
「おっ、こいつはやる気だぜ?!くくっ、抵抗される方がそそるんだよなぁ。」
「うっ・・・。」

角宿は寒気がした。
でも、退かなかった。

「角宿、やめるんだ!僕が相手をすればいいんだから!」
「兄キに守られてばっかじゃ嫌なんだよ!俺も兄キを守りたいんだよ!」
「こいつ威勢がいいな!抵抗してるし・・・。よし決めた!こっちの
弟に相手してもらおう!」
「なっ、何言ってやがるんだ!」
「お願いです!それだけはやめてください!」
「うるせぇ!もう決めたんだ!おいっ、兄キの方はその辺の木にでも
縛り付けとけ!弟が俺たちにヤられる所を見ててもらおうぜ。」

亢宿はとっさに角宿に駆け寄ろうとした。
しかし、すぐに他の男の1人に捕まえられてしまった。
抵抗を試みるが力の差は圧倒的だった。

「今頃抵抗しても遅いぜっ。まぁ大人しく見てるんだな、弟が
ヤられる所でも・・・。へっへっへ!」

亢宿は男にいとも簡単に木に縛り付けられてしまった。

「やいっ!兄キに何してるんだ?!兄キを離しやがれ!」
「お前が俺たちの相手をちゃんとやってくれればなぁ。」
「だからいやだって言ってるだろ!」

そう言っている間にも男たちは角宿を囲むようににじり寄って来た。

「兄キっ!」

角宿は男たちをどけて亢宿に駆け寄ろうとした。
しかし、その腕はすぐに捕まえられ地面に押し倒された。

「やめろっ!やめろって言ってるだろが!」
「そそるなぁ・・・。せいぜい助けを呼ぶこった。」

そういうとボス格の男は角宿に覆い被さった。

角宿は恐怖を感じた。

「兄キ!兄キ!」

助けるように何度も兄の事を呼んだ。
だが来れるはずもない。

角宿は恐怖のどん底にいた。
これからの事を想像すると空しさまでこみ上げてくる。
すると自然に目から涙が流れた・・・。

「おいっ、こいつ泣いてるぜ?濡れた表情も良いぜ。可愛いな、お前。
ホント誘ってくれるぜ。」

角宿はもう抵抗する気力もなくなってきた。

『兄キ・・・。兄キに見られてる・・・。
嫌だっ!・・・・・でも、もう・・・。』

男はまず角宿の唇を奪う。
その間にも角宿の服を脱がせにかかる。


「んふっ・・・、兄キ・・・。」

泣きながら角宿はずっとそうつぶやいていた。



亢宿はただ見ないようにする位の事しか出来なかった。
それがせめてでも角宿にしてやれる事だった。
しかし・・・

「おらっ、何下向いてやがるんだ!?前向けよっ!」

そういうと男は無理やり亢宿の顔を上げさせる。

『嫌だっ!角宿のそんな所は見たくない!嫌だっ!』

亢宿はそう頭の中で言い続けた。
でもどうする事も出来ない。

その時、亢宿はある事を思いついた。

『でもこれは今までやった事ないから上手くいくか・・・。』

しかも、亢宿はそこまでの事はしたくなかった。

『でも、角宿が、しかも目の前で男たちにされる位ならっ!
でも・・・。』

そう考えてる間にも男のする事はどんどんエスカレートしていき、
角宿は泣き続けている。
男の手もだんだん下の方へ進んでいる。

『角宿を泣かせたままでいいのか?!』


男の手がいよいよズボンにかかった。

「っう・・・。」
「お前感度良いなぁ。相手にうってつけだぜ。」
「兄キ・・・」
「おっ、まだ兄キって言ってやがる。可愛いもんだぜ」

男の手がいよいよズボンを下ろそうとしていた。
角宿は恐怖に押しつぶされそうだった。
しかし、最後の力を振り絞って叫んだ・・・。



「兄キ・・・、兄キ〜!!!」


亢宿はこの声を聞いて決心した・・・。











  ☆管理人からのコメント☆

久し振りの角×亢ネタ!いや・・・、まだそこまで行ってないか・・・。本当は短編の予定だったのですよ。でも、書
いてたら前置きが長くなりすぎて、とにかく書いてたら長くなりすぎて仕方がなくここで切ったのです。すみません
・・・。

そういえば、流星錘?!存在を忘れてた・・・。これがあれば角宿にはこんなやつら倒すのは簡単だったでしょう
・・・。う〜ん・・・。では、まだ角宿は流星錘を持っていなかったって事で・・・。駄目?

黒い・・・。話が黒すぎた!!作者の趣味悪いですねぇ・・・。まず〜い!!
にしても今回はいつも強い角宿が弱いですねぇ。でも、さり気に亢×角風になっている気が・・・。私はそれは許
せ〜ん!!なんとか直します!

さて、角宿のために亢宿は一体何をするのか?!

次回を楽しみにしていて下さい!






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