それぞれの思い 4



「ほな行こか!」
「わかったのだ。」


2人は目的地に向かって歩き出した。



「ここや、ここ!ここは俺と攻児しか知らへんし、攻児は今仕事中やから
来いへん。
ここならゆっくり話せるやろ。まぁ誰が来てもあんま関係あらへんやろう
けどな・・・。」
「そっ、そうなのだ。」

『翼宿、なぜ誰も来ない事をそんな強調するのだ?!あ〜、耐えるのだ〜!』

翼宿はまた井宿を無意識に誘っていた。
井宿はまた自分と格闘した。


「さて、まぁ座れや。椅子はないんや、すまんな・・・」
「だっ、大丈夫なのだ。」
「さよか・・・。」

井宿は頑張って平静を装う。

「井宿は今日まで何してたんや?」
「オイラは前と変わらず旅をしてたのだ。」
「どこ行ってたん?」
「あの後、まず倶東国へ行ってたのだ。1ヶ月かけて色々な所を回った
のだ。心宿の謀反で国は崩れたものの再興して来てるのだ。そして今日
北甲国に入って特烏蘭に行って、ある広場の石碑を見てこの辺りが柳宿と
最後に分かれた場所だと思い出して、皆の事をしばらく考えてたのだ。
そしてその後墓参りを思い当たって山の麓に着いた辺りで翼宿の声を
聞いて飛んできたのだ。」

「・・・そやったんか。」

本当はその間も仲間の事はもちろん、目の前にいる翼宿の事をず〜っと
考えていたとは言えるはずもない・・・。


「翼宿はどうしてたのだ?やっぱり頭についてバリバリ山賊をやってたのだ?」
「俺はもちろん頭として山賊の仕事しとったけど・・・。」
「けど?」
「暇あればみんなの事ばっか考えてたんや・・・。」
「・・・たすき・・。」

井宿は久し振りに翼宿の仲間思いの姿を見た。
そして、心がまた揺れてきた。

『オイラはやっぱり・・・、でも、駄目なのだ、翼宿に言っては・・・。』

「そんで、その事考えとるといっつも井宿の事考えてまうんや・・・。」
「・・・・・え?」

井宿はしばらく何を言われたか理解できなかった。

『翼宿がオイラの事をそんなに考えててくれてたのだ?』


「なんや、みんなも大事やけど井宿の事はそれ以上な気ぃしてな・・・。 よくわからへんけどな・・・。今日も考えてたんや。そしたらいきなし
会いたなって気ぃつなご思たんや。」
「そう・・・そうだったのだ・・・。」

井宿の心は更に揺れた。

『やっぱり、やっぱりオイラは・・・翼宿が好きなのだ。今までここまで 離れたくないと思ったことはないのだ。言ってしまいたいのだ・・・
言ってしまいたいのだ!』


「今日また会えて良かった。また一緒にいたい気もする、なんてな。」

『もう駄目なのだ〜!!!』



「ん?井宿どないしたんや?さっきから黙りこくって・・・。腹でも
減ったんか?もう夕方やしな。」

「おっ、オイラ・・・」
「ん?どないしたんや、変やで、ちち・・・」

「オイラは、翼宿の事が好きなのだ!!!」











  ☆管理人からのコメント☆

さぁ第4弾。いよいよ井宿は告白しました!恋の行方は、翼宿の気持ちはいかに・・・。それは次回のお楽しみ♪

今回はなんか井宿視点になっちゃった気が・・・。翼宿も好きなのに〜!次回は何とかしよう、そうしよう♪!

にしてもやっと真ん中を過ぎました(というかその予定・・・)。だんだん自分が最初考えてたのとずれてきてるよう
な気がして大変です(**)なんとか修正していきます(;;)

ん?なた短い?
・・・、もうしょうがないのだ!ここで切ろうと思ってた所で忠実に切ったらこうなったのだ。もうしょうがない、あき
らめろ!
・・・、マジすんません。文句もちゃんと受け付けますから勘弁・・・。






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