「今年も、ずっと一緒やで・・・」



年越しはあなたと



今年も残す所あと30分


その2時間前に、みんなで年越しそばを食べた。

そのまま皆で年を越すはずであったのだが・・・

「張宿、寝ちゃったわね」
「まったく、頭は良くても、体はまだガキやなっ」

柳宿の膝の上で、張宿はすやすやと眠っている。

「張宿の部屋に寝かしてくるわね」
「全員がそろわないなら、これでお開きにすっか」

鬼宿がみんなに提案する。

「そうだな」
「鬼宿は美朱と2人でいたいだけであろう?」
「えっ!?そっそんな事ないですよ〜///」

とは言っているが、顔が赤くなってきている。

「えっ、鬼宿、そんな事考えててくれたの?!
きゃ〜私幸せ〜♪」

美朱が鬼宿に抱きついた。

バッタ〜ッン!!


美朱の突然の行動に耐え切れず2人して倒れこんだ。

「わっみ、美朱っ!!」
「年越しは2人で凄そうねっw」
「えっあっ、いっいやっ・・・」
「さっ、鬼宿の部屋に行こっ!」

そう言うと、鬼宿の意見も無視して引きずっていってしまう。
鬼宿は抵抗する暇もなく、部屋から引っ張り出されていった。

「んじゃあ、ここらで終いにするか〜。さて、俺は部屋に帰って
寝るとすっかな〜。 ほなっ、みなさん、よいお年をっ!」

翼宿はさっさと部屋を出て行ってしまう。
それとすれ違って柳宿が張宿の部屋から戻ってくる。

「あらっ、翼宿なんで出てっちゃうのよ〜?」
「今日はお開きになったのだ。
では、私も失礼する。みな、よいお年を。」

星宿も部屋を去る。

「俺も、ここで失礼するぞ。
よいお年を。」

続いて、軫宿も部屋を去った。

「仕方ないわね〜みんな。
あっ、私は星宿様の所で歳を越そっと♪

井宿っ、なに突っ立ってるのよ〜!
あんたも翼宿と年越したらどう??じゃあね〜♪」

柳宿も去ってしまった。


1人取り残された井宿は、しばらく立ち尽くしていたが、
なにかつぶやいた後に、スタスタと部屋を立ち去った。


「翼宿と2人・・・」





「さて、寝るとしまひょか〜。
あ〜きもちええで〜」

枕に顔をうずめる。


翼宿にとって、はっきりいって年越しなどあんまり大きな行事では
なかった。 ただ、ちょこっといつもと違う料理を食べて、玄関に飾りを
ちょこっと置くだけ。

日付の変わる前に年越しそばを食べて、いつもは寝ている間に
年が明けている
そんな年越ししか経験がなかった。

そんなわけで、今やっとホッとできた。


しばらくすると、眠気が襲ってくる。
眠りの世界に足を1歩踏み入れた
ちょうどその時・・・


コンコン

一気に現実の世界へ呼び起こされる。

「ん?なんや〜こない時間に・・・。ふあぁ〜〜ぃ」

欠伸交じりに相手の訪問に答える。

ガチャッ

扉を開けると向こうには・・・

「翼宿?もう寝てたのだ??ごめんなのだ・・・
入っても、良いのだ?」
「・・・あぁ、えぇで」

翼宿に続いて井宿が翼宿の部屋に入る。
翼宿がドサッとベッドに座ると、そのすぐ隣に井宿が座る。

「んで、一体何の用や?」
「いや、ただ翼宿と一緒に年を越したかっただけなのだ。
今年と来年、2年挟んで一緒にいられるなんて、幸せなのだ〜
それに、『1年の計は元旦にあり』というのだ。
1月1日の1番最初に翼宿と一緒にいたら、来年1年、
ずっと翼宿と一緒にいられる気がするのだ」

井宿のその気持ちが、翼宿にじんと伝わってきた。

「えへへ、そやな。
なんだか嬉しいで。こんな年越し初めてや。
いつもは寝てる間に年が越えてもうてるから・・・」
「じゃあ、初めての年越しを経験するのだ、オイラと一緒に・・・」
「あぁ・・・」

井宿が翼宿の肩を抱きよせる。

2人で、年越しを告げる鐘がなるのを待つ。



ボーン、ボーン、ボーン・・・・・

「あけましておめでとうなのだ、翼宿。」
「あけましておめでとう。井宿・・・」
「今年も、オイラと一緒にいてほしいのだ。」

井宿の手が翼宿の手の上に重なる。

「今年最初の口付けなのだっ」

チュッ

唇の軽く重なるだけの口付け。
でも、とっても特別な甘い口付け。





「たすき、たすき・・・」

突然起こされた。


あれから、翼宿は井宿に寄りかかったまま眠ってしまったのだ。

起きると井宿の顔が目の前にあった。
にこやかな、愛しい人の顔が・・・

「さぁ、でかけようなのだ」
「へっ?!こんな時間にか?!一体どこへ??」
「ついてくればわかるのだw

さぁ、暖かくしていくのだ。外は寒いから・・・」
といって、自分の上着に翼宿を招き入れた。

「ちょっ井宿!俺自分の上着があるから」
「オイラと一緒の方があったかいのだw
さっ、行くのだっ!」

シャァン







「間に合ったのだ〜」
「井宿、ここは一体・・・」
「ほらっ、あっちなのだっ!」

井宿が指さす先
そこには・・・


「うわぁ、めっちゃ綺麗や〜」
「ここの初日の出は綺麗なのだ。
しかも、オイラしか知らないオススメの場所なのだ」

翼宿は、しばらく日の出を見つめていた。

山の狭間から覗き始めるオレンジの光
雲に光が反射して様々な色が見える。

『初日の出』と呼ぶにふさわしい、そんな日の出であった。

「井宿、ほんまにありがとう。俺、こんな日の出見たの初めてや。」
「良かったのだ〜気に入ってもらえて。
日の出時間より前に寝てしまったらどうしようかとずっと心配だったのだ〜
でも、翼宿がいてくれたから寝なずにすんだのだ〜
翼宿の可愛い寝顔を見てたらあっというまだったのだw」

日の出を見ていた翼宿の瞳がいきなり井宿に向けられる。

「寝ないでって、ずっと起きてたんか?!
しかも、俺の寝顔を見てたって?!」
「とっても可愛かったのだ〜w
もう、よくオイラの理性が持ったと自分で自分の事褒めたくなるのだ〜」

呆れたのも確かだが、翼宿はそれよりも嬉しさがつのっていた。

「井宿、ほんまに嬉しいで〜!!!」

翼宿が井宿に抱きついた。
顔一面に嬉しさを浮かべて飛びついてきた翼宿は、なんだか
子供っぽさが窺える。
それが、また愛しい。
そしてまた、ムラムラくるのだ。


「たすきっ♪」
「なんや?」
「宮殿に戻るのだ!」
「なんでや?!まだここにいたいで〜!」

ドキッ

井宿の手が翼宿の肩を捕らえる

「じゃあ、ここでいいのだ?」
「へっ?!」

バタッ

井宿が勢い良く翼宿を押し倒す。

「へっ、ちょっちょう井宿!!」
「ここで翼宿をおいし〜く頂くのだ♪」

一瞬翼宿の反応が遅れた。
その瞬間を見逃さず、井宿は熱い口付けを施す。

井宿の口付けだけで、翼宿の体の力は抜け、理性が飛んでいく。
最後に残った理性を総動員して頼む。

「いやっ・・・、ちちりっここじゃ・・・」
「じゃあここじゃなかったら良いのだ?」
「そっ・・・そうやなくて・・・」
「だって、翼宿が『ここにいたい』って言ったのだっ」
「それはっ!!こういう意味やなく・・・」

言葉の続きは井宿の口に吸い込まれていく。

「もうオイラ、我慢できないのだっ。
じゃあ、いっただきま〜すなのだっ♪」



井宿の、今日2度目の濃厚な口付けに翼宿は堕ちていく・・・・・










皆様にとって、2人のような甘い素敵な1年になりますように。

あけましておめでとうございます











  ☆管理人からのコメント☆

皆様・・・・・
あけましておめでとうございます〜!!!!!!!!!
私は紅白からCATVスペシャルまでずっと歌番見てますw
見ながら書いてました〜
でも、0時に間に合わなかった;;
今年、きっと時間に遅れる生活になってしまうでしょう(爆)
はぁ・・・・・

さて、小説についてです〜w
このネタやりたかったんですよ〜
2人で年越しするってネタ☆
でも、書いてて最後の部分を思いついて、書いてたらそっちがメインぽくなってしまいました(^^;)
ここで言っておきますが、一応メインは2人で年越しする、という所です(笑)

あっ、これはTOPにあったとおりお年玉なので皆様に差し上げますw
どうぞ、お持ち帰り下さい〜(>▽<)

それでは、前置きが長くなりましたが・・・
2005年も、こんな私をよろしくお願いします!!