「・・・・・・・おや、これは・・・・?・・・・・・今日、なのですか・・・・」





生まれてくれて、ありがとう



修羅はいつものお気に入りの場所で空を見つめていた。

最近は出陣の声もかからず、修羅はかなり暇をもてあましていた。
紫義は出陣はなくても修羅の相手をする暇もない程忙しいようで、
毎日陣営内を動き回っては、馬を出して2・3日戻らない事もある。

最初の方は、色々と動き回っていた修羅であったが、さすがに陣営内しか動けないのでは、
それでは飽きてしまう。
そんな事で、今の修羅には本当にやる事はまったくないのであった。



「あぁ、暇だなぁ〜〜。紫義さまと、ここ何日もまともにお話してないな〜」

修羅はその場に寝転んだ。
空には雲が数え切れるほどしか浮かんでいなかった。
10人に聞いたら、8・9人が『快晴』と答えるであろう。

雲を見て暇をつぶそうにも、これでは暇つぶしにもならないであろう。
はぁ、とため息をついた時、急に視界に入ってきたものがあった。


「わぁっ?!」
「修羅、勘が鈍ったのですか?これでは戦場ですぐに殺されてしまいますよ?」

急に修羅の視界に入って来たもの、それは、他でもなく紫義であった。


「紫義さま?!今日は忙しくないんですか?朝は忙しく動き回ってましたけど・・・・・・」
「少し、急用ができてしまったので・・・。今日ではないと駄目なんです、こちらは・・・」
「えっ?どんな仕事なんですか?」

修羅は好奇心のはっきり浮かんだ瞳で紫義を見つめた。
紫義は、一瞬悩んだような仕草をした後、修羅をじっとみつめて、こう告げた。


「今日は、修羅の誕生日でしょう・・・?」
「・・・・・・・・へっ?」

思いがけない事を言われて、修羅はかなり戸惑った。
というか、自分でさえ誕生日など、すっかり忘れてしまっていた。

過去の記憶がまったくなくて、誕生日を祝われた記憶などもちろんない。
そもそも、何故誕生日だけは忘れずにいたのかさえわからない。

そんな誕生日を、何故紫義さまが・・・・・・・?


「今日はたまたま兵士たちの履歴の書いてある資料を整理していたんです。
 そのとき、偶然修羅野を見つけて・・・・・今日だと知って驚きました。」
「俺でさえ、忘れてました
 って・・・・・まさか紫義さま、そのために・・・?」
「ちっ違いますよっ!たったまには、休みも良いと思っただけです・・・!」


修羅にそっぽを向けてしまったが、きっと、自分のためにわざわざ来てくれたんだろうな、と修羅は思った。

『だって、さっきと言ってる事、矛盾してるもんっ』

修羅はくすっと笑った。
とっても・・・・・・・嬉しかった。



「紫義さま、ありがとう。」
「だっだから、私はべ、別に―――」
「俺、昔の記憶なんてないし、だから、誕生日にこんな風に言ってもらうこともなかったんだ・・・。」
「・・・・・・・・」

修羅は空のどこかを見つめているようで、淡々と語っていた。
紫義は、口を挟むのを止め、修羅の言葉に聞き入った。



「だから、誕生日なんてどうでも良いって思ってた。
 『過去』に関わる事なんて、誕生日しか覚えてないから、でも・・・、
 なんでもっと他の大切な事覚えてないのかなって、ずっと思ってた・・・」

修羅が自分の『過去』をまったく覚えていないことはもちろん紫義も知っている。
紫義自身は、修羅が自分の過去を知らないなんて事はどうでも良かった。
『今』の修羅を知っているのだから、自分の隣にいてもらう、と決めるのには十分だった。

でも、それでも、修羅は時々その事を気にしているようで・・・

やっぱり声を掛けよう、そう思ったとき・・・・・


「でも・・・・・、でもね。今は他の『過去』なんてどうでも良いって、思ってる・・・。
 そして、誕生日だけは、覚えてて良かったなって、思ってる・・・・・・。

 だって・・・・・・・、紫義さまに祝ってもらえたから・・・・・。
 誕生日って、こんなに幸せになれるんですねっ。」
「修羅・・・・・・・・」
「へへっ。俺、今日に生まれて来て良かったなっ。」

照れくさそうに笑っていた。


本当は仕事は有り余っていて、1分も抜けられない状況だったけれど・・・・・
修羅のこんな笑顔が見られたなら・・・・・良かったと思う。
そして、そんな笑顔がいつまでも、自分に向けられていたら良いと思う。
柄にもないと、紫義は自分でもそう思った。

修羅は、どんな『自分』も、変えていってしまう・・・・・・・・





「来年の今日も、こうして一緒に過ごしてくださいねっ、紫義さまっ!」
「お・・・、覚えていたらですよ///」
「だって、俺の誕生日覚えやすいじゃないですか〜!『3・2・1』ですよっ!」

自分で言って笑っている。

『確かに、覚えやすいですね』

こんな数字だからこそ、あの膨大な資料の中でも、目に付いたのかもしれない・・・

『そういえば・・・・・、自分の誕生日はそれの逆でしたね』

ふと、紫義は自分の誕生日を思い出した。

今までは、人の誕生日はおろか、自分の誕生日さえまともに覚えたことも祝った事もなかったのだが・・・・・
これでは、覚えざるを得ない。


それがなんだかおかしくて、くすくすっと笑っていると修羅が覗き込んで来た。

「紫義さま、何で笑ってるんですか?」
「内緒ですよ。」
「わっ、ずるいですよぉ〜!」





自分が変わっていくのがわかる。

でも、その変化は良いものかもしれない。


そして・・・・・・・・・

その変化は、修羅が今日という日に生まれてきてくれたから、起こった事なのかもしれない・・・



言葉にはしないが、紫義は心の底でこうつぶやいた。










『誕生日、おめでとう。あなたが生まれてきてくれて、私は本当に幸せです・・・・・』











  ☆管理人からのコメント☆

うわっあまっ!!!!!(爆)
すみません><完璧、紫義像が壊れました(爆死)
なんでこんな優しいんだよ紫義さま!!!
もう少しクールにいってよ〜〜〜うわ〜〜〜んTOT
こんな歯の浮くようなセリフ、絶対言わねぇよ・・・
ただね、ネタの元は修羅って過去は何も知らないはずなのになんで誕生日は知っているのかなって・・・
一応、公式で3/21って決まってますから・・・
まぁ、そんなこんなでこうなったんですよ(^^;)
許してください・・・><(爆)
あ〜にしても、みじけぇなぁ・・・
マジ、忙しいのもあって限界だったんっすよ・・・(・・;)
修羅・・・・・ごめんよ><
でも、私は修羅と誕生日が一緒だって知って、初めて自分の誕生日が好きになったんだよ(結構馬鹿みたいですがね(^^;))
だって、3・2・1とか、絶対ロケットの秒読みじゃないですかっ!
早生まれだし・・・好きじゃなかったんですよね〜
キャラと一緒で喜んでるとか、オタクでしょうけど、嬉しいもんは嬉しいんですよねっ
知った当日の驚きは未だに忘れられませんからね
何せ、婁宿さんとも一緒だったんで、もうふし遊のキャラじゃ誰も同じ人なんていないって思ってましたからね〜
あっそうそう、紫義さまの誕生日も12/23だから、厳密には違うんですけど修羅の逆なんですよ(笑)
そんなこんなで、紫義さまは修羅のも自分のも、誕生日を覚えたわけでありますよw(笑)

さてさて、何故か後書きの方が長い気がする・・・(爆)
一応、FDL小説ですが・・・・・・・・
きっと、もらってくれる方はいませんね(^^;)←と、消極的(爆)
まぁそんな奇特な方がいましたら、ご連絡を下さると飛んで泣いて嬉しがりますvv
21日、限定配布ですよっ!!

それでは!!
修羅、お誕生日おめでとうvv
(私のはどうでも良いしっ。歳は取りたくないもんですから(・・;)(笑))