女の私、男の私
いつもは女でいられるのに・・・
星宿様の前では、特に女でいたい
でも・・・
星宿様の前では、自分が男へ戻っていく気がする
特に、夜を共にする時
1番女でいたいと思う時に・・・
コンコン
「はい?」
「私だ。入れてはくれぬか?」
「ちょっ、ちょっとお待ち下さいっ!」
柳宿は急いで支度をする。
もう寝ようと思っていた時だったので、さすがにこのままでは星宿の
前に顔は出せなかったのだ。
カチャッ
「お待たせしました。どうぞ」
「ありがとう」
柳宿が星宿を自室へと招き入れる。
柳宿は扉を閉めると星宿のいる方へと向かう。
2人が向き合う。
星宿の方から1歩近寄ると、優しく髪を梳く
「すまぬな、突然訪れて・・・」
「いいえ。星宿様の方から来て下さるなんて、嬉しいですわ」
そう
いつもなら柳宿が星宿を訪れていくのだ。
「たまには男として訪れるべきかと思ってな。」
「嬉しいですわ」
柳宿の紙を梳いていた手が下へ降りていき、柳宿を抱きしめた。
「星宿さ・・・」
「柳宿」
「・・・はい?」
「愛している・・・」
突然の事に驚いている間に、星宿が口付ける。
そのまま寝台へと導き、体を倒す。
更には、服を肌蹴させた。
とても、優しく・・・
星宿の優しさを感じつつも、柳宿には違う考えが浮かぶ。
星宿はいつも柳宿をとても優しく抱く。
むしろ、攻めに転じきっていたい、とも言えるだろうか・・・
柳宿の事をとても考えている
しかし、逆に柳宿にはその優しさが怖い、と感じる時がある。
優しさに囚われて、自分の全てを、男としての自分を曝け出してしまう
のではないか、と・・・
星宿は優しく柳宿を快楽へと導いていく。
決して無理をせず・・・
やがて、柳宿の息に艶が出てくる。
「あっ・・・んん・・・」
「柳宿?大丈夫か?」
「は・・・い、だいじょ・・ぶです」
また、優しさが心にズキッと響く。
そんな様子に気が付いたのか、星宿の手が止まる。
「どうした、柳宿?具合でも悪いのか?」
「そんな事、ありません・・・」
「しかし、いつもと様子が違うぞ?」
あぁ、ほんの少しの事なのに、星宿にはわかってしまうんだ・・・
「本当になんでもありませんよ」
そう言うと、柳宿からそっと口付けた。
更にいつもの満面の笑み
「なら、良いのだが・・・」
多少腑に落ちないようだが、星宿の動きは再開された。
「あん・・・あっ・・」
星宿が柳宿の声に酔いしれる。
ゆっくりと下へ向かっていた星宿の手が、いよいよ柳宿のへと伸ばされる。
そして、そのしなやかな手で優しく包み込む。
「ひゃっ・・・あっ・・・あぁ・・」
快楽に流されそうになるな中、何かがそれを阻んでいる。
それはきっと、柳宿が曝け出したくない、男としての自分
つー・・・
涙が流れた
星宿には見せまいと、涙を拭おうと手を動かすが、その動きで星宿が
気付いてしまった。
「どうしたのだ柳宿?!私がなにか嫌な事をしたか?」
「いえ、そうじゃないんです、そうじゃ・・・」
拭っても拭っても、涙が溢れてくる。
諦めて拭うのをやめると、次から次へと流れてシーツに小さなしみが
出来た
目を瞑ってなんとか止めようとするが、それもうまくいかない。
『星宿に迷惑を掛けたくないのに・・・
だって、悪いのは私なんですから』
その時、目の辺りに暖かさを感じた
目を開けると、そこには星宿の顔があった。
「ほとほ・・・」
「なにも気にする事はない」
「えっ?」
瞳と瞳が合う。
星宿の瞳にはいつもの諭すような色が見えた。
「私はお前の、柳宿の全てが好きなのだ。
女であろうが、男であろうが、柳宿は柳宿ではないか。
ありのままの柳宿でいてくれる事が、私には1番嬉しいのだ」
言葉が出てこなかった。
いや、星宿が変わりにすべて言ってくれた。
女でも、男でも、どっちでも良いんだ
私であれば・・・
言葉が心にしみてくる
本当に、星宿様にはかなわないなぁ、と思う。
涙は自然と止まっていた。
「大丈夫か?」
「はい・・・」
表情はいつもの柳宿へと戻っていた。
「さて、どこまでいったか・・・?」
「そっそんな恥ずかしい事聞かないで下さいよっ」
「すまぬっ」
顔を真っ赤にしている柳宿を見て、星宿は安心した
そして同時に、とても美しいと思った。
昔は、いや、柳宿の事をいとしいと思うまで、自分以外に美しいと
思える者などいなかった。
しかし、柳宿を好きになって、初めて自分以外の者が美しいと感じた。
今も、自分の下で微笑を浮かべている柳宿が、美しくて仕方がない。
いつからそう思うようになったのだろう、などと考え始めていた自分に
思わず微笑んでしまった。
「星宿様、どうかなさいましたか?」
「いや、柳宿が美しいと思ってな。」
「いえ、星宿様には負けますわ。」
「そんなことはない、柳宿が世界で1番美しい・・・」
見詰め合った後、どちらからともなく唇と唇が出逢う。
どちらも、たくさんの愛を相手から感じようとするかのように・・・
「星宿様?」
「ん?どうしたんだ?」
全てが終わったあと、2人は寝台の上、布団の中でかたく抱き合っていた。
「女の私と男の私、どちらが好きですか?」
「柳宿は柳宿で良いじゃないか」
「どちらか、と言うなら?」
「う〜ん・・・、男の柳宿、かな?」
柳宿は目を大きく開いた。
「どうしてですか?」
星宿が柳宿と目を合わせる。
「男の柳宿は、私にしか見れない。つまり、私だけの柳宿が見られる
ではないか・・・」
真正面から思いもよらない事を言われ、柳宿の顔は真っ赤である。
目を逸らすとこう言った。
「じゃあ、これから2人きりの時は男になろうかなぁ・・・」
もう迷う事はない
いつでも自分でいればいい
女でも男でも、私自身を見ていてくれるから・・・
☆管理人からのコメント☆
出来ました〜!!!
最近出来上がるたびに喜びが大きいんですw
イエ〜イ(^O^)V
今回はちょっと文の雰囲気を変えてみました
なんとなくですが・・・
でも難しかった・・・
やっぱ私には向いてないのかなぁ・・・?
更に、たまには短くまとめよう!と思って書いてたら、思ってた以上に短くなってしまいました(^^;)
今回は柳宿視点っぽいですね〜(他人事?)
てか裏は!って感じです(^^;)
なんか、書いてたらあんまりそういうシーンを入れられなくて、更に、2人の綺麗さを私の書く裏であんまり
汚くしたくないな〜、って思ったら極端に減ってしまったのです(>_<)
この2人は綺麗なお付き合いをしていて欲しいな〜なんて思ったのです
のりちゃん、こんなんでリクにあってた??
遅くなったけど、こんなんで良ければ貰ってやって下さい!!