消毒 下
「なっ・・・井宿、お前・・・自分でしたんか?」
「オイラ自分を責める趣味なんてないのだぁ」
「あっ、ああそやな。でも、じゃあなんでや・・・?」
翼宿は状況把握に一生懸命なので、手がいまだに井宿の自身に触れている
事など気づいてもいない。
「翼宿、いつまで手を置いてるのだ?」
「あっ・・!」
翼宿はまた顔を真っ赤にしながら手を引っ込める。
井宿にはそんな顔も可愛くて仕方がなく見える。
ちょっといじめてみたくなる。
「こんなになったのは翼宿のせいなのだ」
「えっ?」
「翼宿がオイラの体に触れたり、傷をなめるからなのだ・・・」
「あれは井宿の事が心配やったからやろ?!っお前、まさかそれで?!」
「それ以外に何があるのだ?」
「お前はそんな事でこんなんになるんか?!」
「翼宿が上手だったからではないのだっ?」
「なっ!?」
翼宿はもうゆでダコ状態。
「でも、オイラは翼宿に責められるのは嫌なのだ」
「俺はっ、そんなつもりでやったんやないて!」
「でも、この責任は取ってほしいのだ」
「で、抱きたいなんて言うたんか?」
「わかってくれたのだ?」
今回はどう考えても(?)翼宿の方が悪い。
認めざるを得なかった。
「せやかて、お前その足で、その・・・俺の上に乗るんか?」
「それは無理なのだ・・・。」
「ほんまに、ごめんな・・・」
「だから、今日は翼宿が上に乗るのだ。」
「へ!?」
井宿は翼宿を自分の方に引き寄せようとする。
が・・・
「ちょちょ、ちょう待てや!」
翼宿は井宿から離れようとする。
「なんなのだ?」
「いや、その・・・今は昼で、更にここ外やで?」
「それなら・・・」
ブゥン
「これで大丈夫なのだ」
「えっ?でも外見えてるやん・・・」
「その方がそそるのだ」
「っておいっ?!それは俺が困る・・・」
「いたっ!」
突然傷を押さえこんでしまった。
「ちちりっ!」
「痛いのだ・・・」
「大丈夫か?!」
そう言って屈みこむ。
その時急に井宿の手が伸びてくる。
「ぅわっ!」
ドサッ
翼宿は井宿の上に倒れこんだ。
「なにするんやっ!お前今のは・・・?!」
「嘘なのだっ」
「嘘だ〜!?」
「さぁ、始めるのだっ。大丈夫、外から中は見えないのだ。
それにオイラ、これ以上おあずけさせたらオイラでなくなりそうなのだ。」
「そりゃ困る!」
「くすくす・・・」
井宿から笑い声が漏れる。
「冗談なのだっ」
「えっ、そっそか・・・」
明らかにホッとしたような顔をしている。
それがちょっと許せなくて、またいじめてみたくなる。
「たっすきっ♪」
「なんや?ちち・・・んふっ!?」
突然唇を奪われた。
いやらしい水音が響く。
その時、その音に混じって違う音もしていたのだが、翼宿は井宿の熱い
口付けに翻弄されて気づいていない。
井宿は心の中でほくそ笑んだ・・・。
あれからひと通り(笑)した後、2人は宮殿に帰り井宿の傷の為の薬を
軫宿から貰った。
しかし、その時の軫宿の態度がいつもとかなり違っていた。
それに、その帰り道に会ったみんなも、会う人みんながじっと翼宿を
見ていく。
見に覚えのない翼宿は気になりながらも、その薬を持って傷の手当ての
ために井宿の部屋へと行った。
悪戦苦闘しながらも、なんとか手当てを終える。
「よし、これで多分大丈夫やろ。にしても、すまんな・・・。
俺のせいで井宿を傷つけてしもて・・・。それに、『井』の字が
見えなくなってもうた。」
「この位すぐ治るのだ。大丈夫なのだ。」
「せやかて・・・」
「おわびはさっき貰ったのだ」
「えっ!?」
またまた翼宿の顔が赤くなる。
「それに、今日のは結界も張ってなかったからぞくぞくしたのだぁ。」
「えっ?!結界、張ってたんやなかったんか・・・?」
「実は最初だけだったのだ。いらないだろうと思って口付けしてる間に
やめたのだ。・・・いけなかったのだ?」
「いけなかったに決まってるやろ〜!!」
もう翼宿は怒りでいっぱいである。
『そうか!だからみんなじろじろと・・・』
翼宿は自分の鈍感さを本気で呪おうかと思った。
翼宿にはこう言ったが、井宿は実はこれを狙ったのである。
いつも翼宿に気を遣って人に知られないようにしていたのだが、
たまには人に見られるかも、という中でやってみたいと思っていたのだ。
井宿にはとても良い機会であった(笑)。
でも・・・?!
「見られてもうてたんやで・・・」
「そうなのだ?!でも、みんなオイラたちの事知ってるからそっとして
おいてくれたのだ」
「俺はお前とちゃうんや!!しかも、きっとみんな俺が上やて勘違いしてる。
俺、もう外歩けへん・・・」
「そんな事言ったって・・・。
オイラをその気にさせたのは翼宿なのだ〜。怪我したのだって。
ひどいのだ、たすき・・・」
「えっ、せやからその・・・」
井宿はいじけてみせる。
翼宿には、まるで自分が全て悪かったように感じられてしまう。
「わかった!俺が悪かったから!」
「だ〜!!」
「だ〜っておい!?」
「許してくれたのだ?!そうなのだ!?
大好きなのだ〜!!」
と言うと井宿は翼宿に抱きつく。
全ては井宿の狙っていた事なのである・・・。
「こらっちちりっ!やめんかい!」
「い・や、なのだ!
今日は怪我して本当に良かったのだっ」
「そりゃないやろ〜!」
またしても翼宿の表情を見て楽しむのだった。
井宿はまた話を変える。
「にしても、翼宿は上でも上手だったのだっ。またお願いするのだぁ」
「もう上は嫌や。普通でも疲れるんに・・・。お前よくいつも上で
できるな」
「そんなに疲れるのだ?」
「お前なぁ、たまにはこっちの気持ちも考えてみっ!」
「でも、翼宿はいつも充分感じてるのだ?」
「なっ!?」
翼宿は飽きずに(?)また顔が真っ赤である。
「そんな恥ずかしがる事ではないのだぁ。オイラは今のままの翼宿が
好きなのだ。」
「おっ、俺もやで・・・。」
こうして、2人の1日は終わった・・・・・
☆管理人からのコメント☆
1700HITを踏んで下さったきらのさら様へ、この小説を捧げます!
きらのさら様からのリクは「井×翼なら内容はお任せ」と言うものだったので、かなり私の思考が反映された内容
になってしまった気がします(−−;)
更に、中途半端ですが裏にまで走ってしまって・・・。
本当にこんなんでよろしかったのでしょうか??
きらのさら様!本当にすみませ〜〜ん!!
翼宿、井宿の傷なめてあげちゃいましたよ・・・。ホントに彼は鈍感なんだから・・・。でも、私はそんな翼宿が好き
だ〜!!そして、暴走する井宿も(^^;)
今回はなんて言ったって外で結界なしですよ!?井宿ぃ〜!
というか、私〜〜〜!!!!!思考がまずいですね(−−;)すみません・・・
しかも、なんか話が繋がってない気もするし・・・。終わりも変!むちゃくちゃだ〜!!
ホントにすみませんっ!お怒りメールはいくつでも・・・
こんな小説になってしまいましたが、きらのさら様に差し上げます!
改めまして、おめでとうございます!!
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