「うん、初めてにしては上出来ッ!!よし包もうvv」
『思い出の一頁』
現代で言うと10月頃。四神天地書の世界も秋晴れが続く時期。
この二人が付き合うようになってどれくらいの月日がたったのだろうか…
《今思えばこのころやったと思うねん。
美朱の様子がおかしいんなったんは…
多分、2ヶ月たったと思うで?
二人でおる時間が減ってしもて美朱は自分の部屋に閉じこもるようになったん。
部屋から出ると、何や辛そうな顔して出てくるんや。
せやけど、いつの間にかいつもの美朱に戻っとるん。
…あいつ… どないしたんやろか?》
「なぁ、たま!!最近、美朱の様子…何か変やと思わへん?」
「そうか??」
「せやけど、なんかちゃうねん。」
「いつも大食いじゃなねぇか、食欲があるってことは元気な証拠だぜ!!」
「そうやのうて…」
確かに美朱の食欲には変化は見られない。
でも…何かはわからないけど、何かが変なんだと翼宿のモヤモヤは消えない。
「おッ、柳宿〜!!!」
「翼宿?」
たまたま廊下ですれ違った柳宿に
「オレの気のせいかもしれへんねんけど、最近の美朱の様子、変とちゃう?」
「…き、気のせいじゃない!?ね、たまちゃん」
「おう!!」
「ね、気にすること無いわよ、翼宿。おほほほほ…」
《二人の様子に何がおかしい》そう悟る翼宿だった。
((…何かあるんや!!今夜美朱に聞いてみるしかあらへん!!!))
夜、美朱の部屋から小さな明かりが灯っている。
「美朱のヤツ…まだ起きとるんか??」
忍び足で美朱の部屋へと向かう。 ギィ〜…ギィ〜…
床のきしむ音が小さく鳴る。
「!!!!」 ガサッ、ガサッ、ガサッ。 「誰〜ッッ!!!???」
美朱は慌ててあるものを隠し扉を開けると…
『ガンッッッッ!!!!』
「つぁ〜〜〜!!痛いやんけぇ!!!」
「え?翼宿??」
美朱の開けた扉が翼宿の顔面を直撃し、
顔を手で押さえ尻餅ついた翼宿の姿がそこにあった。
「ごめんね…大丈夫!!?」
「っっっ!!!」
美朱は翼宿を支えながら謝ると…
「翼宿、ちょっと待ってて!!」
と、言うと走りだしてどこかへ行ってしまった。
1分ほどすると美朱は、濡れた布を持ってきた。
「本当にごめんね、これで冷やしてっっ!!!」
濡れた布を翼宿の顔へと当て、自分の部屋と入れ、ベッドの上に翼宿を寝かせる。
美朱は翼宿が寝ている横へと座り、話す。
「痛む?」
「平気や…」
布の下からの返事。
「ねぇ…何であそこにいたの?」
美朱はおそるおそる聞くと、翼宿は布の下から美朱の顔を見ようと顔を少し出し…
「最近、美朱の様子が変やと思っとったん。
それもここ何ヶ月も夜、遅〜まで何かしとるみたいやし。
気になって…どないしたんやろ?ってなぁ〜。」
「…心配…してくれたんだね。」
「…///」
「ありがとう、翼宿♪」
美朱は小さな笑みを浮かべた。
翼宿はそんな美朱の笑顔に鼓動が早くなる。
「せやから…何かあったん?オレ、何かしたんか?」
顔に置いた布を取って起き上がり、美朱の顔を覗き込みながら再度聞く。
「そんな…何もないよ。
心配してくれてたんだもんね、何ヶ月も…ごめんねぇ。」
「そや。」
美朱は下を向き少し考えた様子だったが、顔を上げ翼宿の顔を見た。
「実はね、私の世界では明日が…クリスマス・イブなの!」
「クルシミマス・ジム? ジムっつ〜外人が何か苦しむんか?」
「違うってばッ!"クリスマス・イブ"だよ。」
「なんやそれ…?」
勿論、翼宿がクリスマスのことなんて知るわけがない。
美朱は簡単にクリスマスについて説明した。クリスマス・イブのことも…
「んでね、"クリスマス・イブ"って"恋人達の日"でもあって…
プレゼントを交換したりもするんだよ(*^-^*)」
「そうなんかぁ…。」
美朱はふと自室にある時計を見る。
時刻はちょうど0時をまわったとこだった。
「"Merry Christmas!!" 翼宿。」
「へ?なんや?」
「12月24日になったの!!だから"Merry Christmas!!"」
「あ、あぁ...メ、メリー…クリスマス…。」
美朱はさっき慌てて隠したものを取り出し、翼宿の前に出した。
「これ…プレゼント!!! ハイッ!!!」
「…。」
「ずっと、コレを作ってたんだ^-^ だから心配させちゃったの…。」
「そうやったん?あけてええんか?」
「うん、あけて♪」
ガサッ、ガサッ
翼宿は包みで覆われているものを開けると、赤いマフラーが出てきた。
「美朱が作ったん?」
「うん、私の世界でマフラーって言って寒い日にかるく首に巻くの。こ〜やって…^-^v」
と、美朱は翼宿の首に自分の作った赤い手編みのマフラーを巻いた。
「///…ずっとオレのために…頑張ってくれたん?おおきに…。
ホンマ、あったかいわ…。
…せ、せやけど、何か長かあらへん?」
確かに普通のマフラーより長い。
ロングマフラー??それよりも多少長いようだ。
「それは…ねぇ。」
美朱は翼宿の隣に座り、赤いマフラーを自分の首にも巻く。
「二人で一緒に巻けるんだよ。」
まるで、首に赤い糸を結んだようだった。
「二人でいれば、もっとあったかいよね(*^v^*)」
と、翼宿だけに見せる満面な笑顔。
翼宿は扉にぶつかった赤くなった顔は、いっそう赤くなった。
「美朱。」
翼宿は美朱のほほに手を置き…
そして、美朱の耳元で
「オレは美朱をずっと愛しとる。」
囁いた。
そのまま二人の唇は、ゆっくりと重なり合い
優しいキス。
二人の唇は離れていき、美朱は瞳を開ける。
「ん!!??」
美朱は、自分の耳元が何か違和感を感じ、触れるとイヤリングが付いていた。
「オレからのプレゼントや…。」
「!!!!!!」
翼宿を見ると翼宿のイヤリングは片方の耳にしか付いていない。
片方のイヤリング…
いつも翼宿がつけているイヤリング…
「ペアやな…」
ニヤリとした翼宿。
美朱は嬉し涙を流しながら笑った。
「大好きだよ、翼宿。」
「アホォ、そないなん、ずっと前から知っとる…」
二人は抱きあった−−−−
これが翼宿と美朱の初めてのクリスマス。
☆管理人からのコメント☆
緋桃ちゃんのサイトで開催していたイベントのD商品です〜!!!
素敵なたすみ小説vv
しかも、私が1番に頂いちゃったんですよ〜(>▽<)
緋桃ちゃん、ホントに大好き〜vvvvvvvvvvvvv
いつも本当にありがとう(*^−^*)
でもでも、1番に貰って1番にUPしたかったのに、失態にも寝てしまってUPできなかったっていう・・・(爆)
いや〜緋桃ちゃんの愛が〜!!!!!!!!!!!!!
ごめんね(ぐすん・・・)
でもでも、ホントに素敵な小説だよw
2人で1つのマフラーって、恋人の冬の定番ですよね〜vv
私もやってみたい(泣)
※HP用に多少加工いたしました。
尚内容はまったく変わりありません!