もういくつ寝るとお正月

お正月には凧揚げて 駒を回して遊びましょう

早く来い来い お正月






今年も…?





12月31日。
人々は年末の忙しさに追われ、町は普段以上の賑わいを見せる。首都・栄陽の町は尚更人が多い。
年始は休みの店が多いから…と買い物も年末中に済ませなければならない。
宮殿から見える慌しく行き交う人々に、年末だという事を思い知らされる。


「今日で今年も終わりかぁ…」


美朱が一年を思い返すような口ぶりでそう言った。
今年もいろいろあったなぁ…。とその場に居た全員がうんうん、と頷いた。





大晦日の夜は、今年最後という事で皆で思いっきり騒いだ。
未成年だなんて関係なくも一緒にお酒を飲んだり…。そして、一年が終わる瞬間、皆でカウントダウン。
新年を迎えると同時に、


「「「「「「「「「明けまして、おめでとうございまーす!!」」」」」」」」」


9人揃って元気よく、新年を迎えた。
暫くすると明日の元旦に備え、各自部屋に戻っていった。
明日は元旦、きっと楽しい事が待っている…。







        ■ □ ■ □ ■







「これさ、くるくるくるーってやりたくなるよねv」

「絶対しないでね?折角着付けたんだから」


着物の帯を軽く触りながら、美朱が笑う。
ホントにやりそうだ、とは苦笑しながら釘を刺す。
美朱の茶色い長い髪を整え、簪をつける。出来たっ、と鏡を見て満足そうに笑う


「すごーいvさすがだねっ!」

「褒めても何も出ませんよ?」


美朱の着付け等が終わるとも自分の仕度に取り掛かった。
その手つきは手馴れた物だった、着物なんて滅多に着ないはずなのに…。
不思議に思った美朱がに尋ねる。


「あぁ…着物しか着ない世界もあるからね、何でも出来ちゃうもんなんよ」


苦笑しながら答え、は仕度を再開した。
翼宿は、何か言ってくれるかしら?
そんな事を考えながら、高く結った髪にそっと簪を刺した。






「美朱さんも、さんもとっても綺麗ですーv」

「「ありがとー張宿v」」


広間には既に料理が並んでいて、皆達が来るのを座って待っていた。
料理の中には、大晦日である昨日が作った日本の料理も並ぶ。
食事が終わると、全員揃って宮廷に出た。







「まずは定番、羽根突きー♪」


一対一ではおもしろくない…と、言う事でペアで。
・翼宿VS美朱・魏。勿論、罰ゲームは顔に筆で落書き。
お化粧もしてるし、新年早々負けてたまるか!と美朱との間に火花が散る。
審判は井宿を始めとする残りの七星士たち。


「いくぜっ!」

「よっしゃあ!」


パコンパコンと羽が宙を舞う。どちらとも一歩も譲らない。
手前の方に落ちてくる羽根を打とうと、美朱が前に走る。辛うじて打たれた羽根はふわふわと空を漂う。
チャンス!とが地を蹴った。勿論力は使わない。使うのはテニスで鍛えたジャンプ力だけ。
羽根は美朱と魏の間にトン、と落ちた。


「ぃやったーーーv」


肩を落とす美朱達とは裏腹に、思わず翼宿に抱きついてしまった
翼宿は勝ったとか負けたとかよりも、自分に抱きつくが気になる。
ほんのりと翼宿の頬が赤く染まった。
井宿から筆を受け取ったは、にっっこりと、笑った。


「美朱ちゃーんv動かないでね?」

「……っ、……。」

「たまーvじっとしとれよー?」

「〜〜くそーーっ!」


美朱の顔には定番の丸やら三角などの記号+小筆で頬に『食欲魔人 胃袋ブラックホールv』と…。
魏の顔には大きくはっきり『おばけちゃん』と書かれてあった。
笑い転げる柳宿と、必死に笑いを堪える星宿達。苦笑しながら井宿が二人に鏡を渡した。
そっと、気付かれないようにその場から逃げる翼宿と


「「〜〜(翼宿)!!!!」」







        ■ □ ■ □ ■







「…疲れたー」


着物を着崩さぬようにと、小走りで走って来た為、疲れは普通に走るのの二倍。
は、はぁっと肩で息をして、宮廷に飾ってあった正月飾りに目を移す。
あんま正月って感じしないけど、新しい年が始まったんだなぁ…と。


「……、ちょお動かんとってな。簪落ちそうや」


翼宿の大きな手がの髪に触れる。
不器用な翼宿だが、丁寧にやろうとしているのが髪を通じて分かる。
ぎこちない手つきで、慎重に。出来たで、と髪から手が離れた。


「ありがとうv」


そう言ってが振り返ると、唇に違和感。振り返りざまに軽い口付け。
それって反則でしょう?赤くなったを見て、翼宿はニッと笑った。


「…着物、めっちゃ綺麗やで。よう似合っとるわ」

「………反則。」

「えぇやん、正月なんやしv めっちゃ好きやで、

「なッ!?…なんか今日おかしくない?」


酔ってるんじゃないの!?と言ってみたものの、翼宿は今日酒を飲んでいなかった。
何にも無い普段と同じ状態で言われたのだと認識すると、何故か余計に照れた。
の頬が赤みを増す。


「今年もよろしゅうな、!」


軽く俯き加減のの耳元で、そっと囁く。








今年もずーっと一緒に居るから、覚悟しときや?











  ☆管理人からのコメント☆

夏海様のサイトで配っていたお正月FDL小説、いつもの事ながら頂いてまいりましたw
お正月って言ったらまず羽子板勝負で顔に墨の落書き(笑)ですよね〜
いや〜翼宿が鬼宿に書いた「おばけちゃん」がツボにクリーンヒットしましたっ
美朱のもかなり面白かったです(笑)
最後は甘々で幸せ〜w
もうお正月から良いもの読ませて頂きましたw
本当にありがとうございました☆