花火を見に行かないか?



ここ、紅南国・首都栄陽。宮殿内のある部屋で ―――――






コンコン...


翼宿はその部屋をノックした。








「あ、俺...翼宿やねんけど...」

「え?翼宿? んど〜ぞ♪」





ガチャ...






そう、ここは朱雀の巫女である美朱の部屋。
翼宿はみんなには内緒でこっそり美朱に会いに来たのだ。






美朱に部屋に勧められ部屋の中へ入った翼宿。






「どうしたの?翼宿ッ!こんな夜遅くに」

と、美朱はドアを閉めながら、翼宿に問いかける。  ―――ガチャン。








「あぁ。遅くにすまん。実は、美朱に話があって来たんやけど…」



「え?話??  ……な〜に話って?」

「それは...その...」





手をもじもじとさせながら、翼宿は湯気が出そうなくらい真っ赤な顔して下を向いている。





美朱が翼宿に近づき、その翼宿の赤面した顔を覗きこむようにして





「ん? どうしたの? 翼宿〜ぃ?」




美朱の改めて問いかけられ、ハッと目を反らしてしまう。






「(こないなん、男らしゅない...)」と心で思ったのだろうか、小さく一息深呼吸をして






「なぁ、美朱。 俺と……… 俺と二人で、至t山のふもとでやる花火大会に行って欲しいや!!」









翼宿は、赤面した顔をしながら、美朱の目を見て言った。
それは、いつもの陽気な翼宿ではなく真剣な顔そのものだった。






どうやらこちらの世界にも、『花火大会』があるようだ...... 










――――― 花火大会当日 ―――――







夜になった...二人だけの時間、花火大会へ出発しようか準備している翼宿に美朱は...









「ねぇ、翼宿〜、コレ着て?お願い〜(^_^)」



「美朱、何やコレ?」

「私の世界の服で“浴衣”っていうの〜 ...翼宿ならきっと赤が似合うと思って」



「おぉ。そぉかー?美朱が見立ててくれたん?」

「うん^^」








こうして二人は浴衣を着て、花火大会へと出かけた。









「な、美朱...こないな、着方でええんか?」

「うん。いいんだよー。凄く似合っててカッコイーね...」






と、道端で二人の会話が弾んでいた。





勿論、カッコイーなんていわれた翼宿は照れたのは言うまでもないが、
それ以上に隣にいる美朱がとても可愛くって目のやり場に困っていた。





結い上げた美朱の髪から出るうなじに、花柄模様のピンクの浴衣。
そこから出る白く細い手足。


可愛い小さな巾着を持ってかなりめかしこんでいる。



翼宿にとってはたまらなく可愛いと思っていた。






逆に翼宿は....というと、美朱に着せてもらって初めて来た浴衣というもの...



やっぱり性格なのか、なぜか胸がはだけている。














どれくらい歩いたか会話が弾んでわからなかった....













気づくと、草っぱらで小さな花が咲いているほんのりとした場所についた。
あたりは誰もいない。



さすが翼宿の縄張り(?)だけあってさすがに土地勘がある翼宿はスポットもよくわかっていたのである。







「美朱...ここはなぁ、この辺で一番花火がめっちゃ綺麗に見えねんで!」

「え?本当??」

「ホンマや!!ここは穴場でな、俺や山賊の仲間も一部の人間しかしか知らへん…」







と、ウインクをして、








自慢気に言う翼宿。
どうりで周りにはいなかったのだと、美朱は思った。









ドーン!!!!!





凄い音と共に花火の打ち上げが開始された...


こちらの世界も、どうやらとても綺麗でたくさん打ちあがる――――――――――――





割物の菊、牡丹、錦菊、トケイ草、芯入り銀冠菊、錦冠菊。

花火をたくさん重ねたりして星、たんぽぽの詩、時計、蝶、舞扇、魚などの形をした種類様々な花火...







「綺麗だねー、翼宿〜♪ こんな素敵な花火見せてくれてありがとう...」




と、美朱は翼宿に満面の笑みを見せた。





「ああ。どうしても美朱に見せたかったんや...」









というと、翼宿は座っている二人の間を詰めて美朱の肩に手をかける。







美朱は少し頬を染めているのが翼宿にも分かった。









「なぁ、美朱。お....俺、お前のこと好きや。ずっと俺の傍にいてくれへんか?」









花火の音で少し重なったような感じだったが、美朱には届いたようだ.......





美朱の顔は今まで見たことないくらいに真っ赤に染まっている ―――――。
















少し沈黙が続く・・花火の音がむなしく奏でていて・・・



翼宿にとってこの沈黙は何十倍にも感じられた。





















美朱が翼宿を向いて、重かった口がようやく開いた



















「私も 翼宿のこと――――― 好き。」













その嬉しい言葉に翼宿は、美朱を抱きしめ、フィナーレの美しい花火の連続を背景に優しいキスを交わした―――――――。











  ☆管理人からのコメント☆

のりちゃん初のFDL小説〜☆
凄いよ〜上手だよ〜w
翼宿がめちゃ可愛いしvvv
赤い浴衣?!
見てみたい〜(*^−^*)
素敵なんだろうな〜(遠い目)

本当にありがとね☆
UPするの遅いしね(爆)
でもでも、大事にするよ〜(TOT)



※HP用に多少加工いたしました。
 尚内容はまったく変わりありません!