この世界には、いくつもの隠れた伝説が存在している。
皆様はいくつ、その存在をご存知でしょうか?


《それは、オレとの出会いだったんや------》






永愛銀雪エイアイギンセツ  -第一話 二人の出会い-




【伝説】

紅南国に何百年に一度、銀色の雪が降る時、
異世界より一人の少女が現れる。
少女は初めて会った一人の男性と恋に落ちるであろう。

本当に愛する男性と少女が結ばれば、
二人は離れることのない永遠の愛を得る。
二人の愛は世界に愛を与え、和をもたらし、平和になるのだという。









●○●○●○●○●○




「彼氏欲しいーーー!!!!!!」
「だよねぇ〜!!」
「そういえばあの子、隣のクラスの暗い子!!彼氏できたらしいじゃん!!!」
「そうそう!!なんであんな子に凄いカッコイイ彼氏ができたんだろうね…」
「何か、凄く悔しい〜〜」
「うんうんッ、可愛いだしきっとすぐカッコイイ彼氏が現れるよ♪」
「そんなことないってッ!!でも、カッコイイ彼氏、欲しい〜(>_<)」




●○●○●○●○●○








役目を終え、昔のように至t山の山賊の頭として復帰した、朱雀七星士の一人"翼宿"
約2年が経ち…幻狼22歳。












現代で言うと、12月24日のクリスマスの今夜--------


幻狼は一人で夜風に当たろうと、夜にあたりを一望できる落ち着いた草むらへと出かけた。
何をすることもなく、ただ…一人になりたかったのだろう。








両手を頭の下に敷き、足を組んで草の上に寝っころがっている。





「井宿。
 星宿様、柳宿、張宿、軫宿。
 美朱、鬼宿。

 みんな元気にしとるやろか。何しとるんやろ…。
 まぁ4人は死んでしもたから元気もあらへんな…




 そういえば…井宿とは『旅に出るのだ』って言われて別れてからそのまんまやゎ…」


青龍七星士との戦い…懐かしい思い出が幻狼の頭の中を駆け巡る。











----- ピチャッ

「Σ!!!!!」



幻狼の花の上に冷たいものが落ちた。

慌てて起き上がり手を鼻に触れ、手を見ると水がキラキラ光っている。




「雨…?星が出とるのに何で空から…??」

と、再び空を見上げ、手を差し出すと幻狼の手のひらにキラキラ光るモノが落ちてきた。




「雪や…



 …………この雪、白やない……銀色しとるッッッ!!!!」



幻狼は珍しい雪に驚いた。














勿論、幻狼が隠れた伝説、永愛銀雪のことは知るわけもなく…



雪の量はだんだん増していった--------------












「そろそろ、戻らな…。」


幻狼が山賊の住処に戻ろうと立ち上がった時!!!





『ふぉわーーーーん』




銀色の雪が舞う夜空が桃色に光った。




「な、な、なんやっ!?」




幻狼は、手で目の部分に影を作り光の中を見ると…






「きゃぁああああああああ!!!!!!!」



翼を広げた一人の少女が降ってくる。





「あ、危ないッッ!!!  う...うわぁ〜〜〜。」



ドサッ…





「んっっっ!!!!」




幻狼の上に落ちた少女の唇が幻狼の唇にかさなってしまったのだ…










二人は目を丸くし、空から降ってきた少女は慌てて幻狼から離れる。

「ご...ごめんなさい。」
「えぇて。オレの方こそ…すまんかった。」
「いえ、私の方がいけなかったのですから!!」


少女は美朱と同じように、自分達の世界とは思えない身なりをしている。


「((翼が生えていたと思ったんやけど…  光での見間違いなんやろか??

  美朱みたいな服装しとるな…この女も異世界から来たん?))」


ちょこんとして見知らぬ場所に来たからか震えている、小柄な少女。
身長は160cm前後ってところだろうか。
体型はごく普通。
黒髪で肩ぐらいの長さ。


「なぁ...名前、なんて言うんや?」


「え?私…ですか? ……私は、…です。」


は震え、か弱そうな小声で答えた。



は、どこから来たん?」

幻狼はが震えてるのが分かり、優しく問いかけた。

「…日本…」


「日本!!?((美朱もそんなとこから来たって言うてたゎ!!))」





はあたりを見渡し、

「あの...失礼ですがあなたは?…ここはどこですか?」


は自分のことばかり質問する幻狼に、質問をする。



「言ってへんかったな、すまん。はある女に似とってつい…聞いてばかりやったん。
 オレは幻狼。ここ紅南国、至t山に住んどる。」



は幻狼の言葉に過敏に反応をした。


「あなた、…幻狼? 朱雀七星士の…翼宿?
 至t山で山賊の頭をやってる…」


はぼそっと呟いた。

「…ッッ!!! 、オレの事………知っとるん?」




「…………えぇ。」



は沈黙、いや唖然としたのだ。

が一番好きな漫画の本『ふしぎ遊戯』を読んで、
本の中の“翼宿”という少年に本気で恋をしていた。


その恋は「翼宿が現実にいたら…」と、思うほど。
毎日翼宿のことを思い、漫画を読んでいたらは桃色の光に包まれてしまい…



目の前には、恋した本物の“翼宿”がいるのだから------









漫画『ふしぎ遊戯』…


巫女は、“現実世界”
七星士は、“本の中の世界”



はその巫女・七星士を本の中とする、“本来の現実世界”に住む人間。





翼宿と…二人の永愛銀雪がここに今、開かれた。














-第1話 完- 










  ☆管理人からのコメント☆

緋桃ちゃんの初夢作品!!
すってきだよ〜vvv
緋桃ちゃん、夢小説まで書けるなんて、尊敬〜(>▽<)

にしても、すっごく夢主が羨ましい〜
私も、おんなじ事何度想像した事か・・・
ふし遊を読んだ人なら1度は思うんじゃないでしょうか?
四神天地書に入りたいな〜
どんなに幸せな日々が待ってるんだろう・・・
そんな夢を、緋桃ちゃんの小説がかなえてくれたよ!!!
でもでも、これは連載物だそうですw
頂けるのは第1話だけだとか・・・
ちょこっと寂しいけど、続きは緋桃ちゃんのサイトでね〜w



※HP用に多少加工いたしました。
 尚内容はまったく変わりありません!